1丁目1番地

全国の1丁目1番地を探して

1丁目1番地#120 横須賀市芦名

(2018年訪問)

三浦半島の中央部を占める横須賀市軍港都市として知られ、神奈川県では横浜市の次に市制施行された歴史ある重要な都市です。

その横須賀市西部の相模湾に面した地域の一つが芦名です。鎌倉時代には芦名城という城もあったそうで、かなり古くからある地名であることが分かります。鉄道路線からは離れているため、逗子駅横須賀駅からバスでのアクセスとなります。

 

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芦名一丁目1番は国道134号沿いにあります。三浦半島は三浦丘陵をはじめ起伏に富んだ地形が特徴的で、このあたりも緩やかな坂となっています。

 

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派手な看板はラブホテルのもので、ある意味国道沿いらしい風景かもしれません。国道134号は横須賀市東部から三浦半島をぐるりと囲んで、逗子・鎌倉を経て湘南の方まで至る道路で、鉄道路線がない三浦半島西部では特に重要性が高い道路となっています。

1丁目1番地#119 大田区令和島

海の森一丁目1番を訪問したあとは、中防大橋を渡って外側埋立地へと向かいます。

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内側埋立地と外側埋立地を結ぶ中防大橋。

 

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防大橋上の様子。奥に写っているのは6月20日に開通した海の森大橋です。

 

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中坊大橋を渡った先に交差点があります。ここで交差する道路が江東区大田区の区境になっており、写真奥側が大田区令和島なのですが、歩行者用の信号機や横断歩道がありません。こういったところにも、歩行者が極めて少ない中央防波堤埋立地特有の事情が表れています。

しかし、ここは埋立地という島。地上部では必ず車道が行き止まりになるところがあります*1。それを狙って歩道を大きく迂回して行くことで、反対側の歩道に到達できます。

今回の場合は、西側の臨海トンネル直上にある地上部の行き止まりを経由して、令和島一丁目1番への接近を試みます。この交差点から行き止まりの部分までおよそ500m。それを往復、さらに行きと帰りの分も合わせるとおよそ2kmのウォーキングコースです。

 

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歩道部に謎の地下へ続くスロープがありました。臨海トンネルは歩道が併設されていないそうなので、保安用の通路か何かでしょうか。

 

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折り返し地点である行き止まり部分の先には臨海トンネルの中央防波堤側換気所があります。三段のような形になっていて面白いデザインの庁舎ですね。

 

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車道の行き止まりのUターンを利用して、無事反対側の歩道に行くことができました。もうここは令和島一丁目1番になるはずですが、街区表示板を探してしばらく進んでいきます。巨大なコンテナが積み上がっている光景は圧巻です。

 

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ここは大田区であるように羽田空港にも近いため、羽田空港を離陸していく飛行機が頻繁に上空を通過していきます。実際はかなり間近に見え、音も凄まじいですが、飛行機好きにはたまらないスポットかもしれません。

 

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ようやく先ほどの交差点が近づいてきました。

 

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そしてついに、この交差点角で街区表示板を発見。写真の道路が臨海トンネル方面へ続く道で、この向かい側に中防大橋側の歩道があります。ここまで来るのに15分ほどかかりました。そしてすぐにまた15分かけて戻っていきます。

 

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せっかくなのでもう少し奥まで進んでみると、もう一つ街区表示板を発見。令和島一丁目1番も広大なコンテナターミナルになっています。

この先はますます一般人には近付きがたい雰囲気を感じたので、今回はこのあたりで引き返しました。埋立地内には立ち入り禁止のエリアもあるそうなので、掲示板や標識などをよく確かめながら歩きましょう。

 

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また同じ道を引き返していきます。

 

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臨海トンネルの車道の入り口です。海底を通って大田区の城南島へと繋がっています。

 

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最初の交差点に戻ってきました。いつかここにも歩行者用信号機が設置される日が来るのでしょうか。

 

そして中防大橋を渡って江東区海の森に戻り、中央防波堤停留所から都バスに乗って中央防波堤埋立地を後にしました。

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再度、中防大橋から外側埋立地の東側を望みます。外側埋立地のうち江東区の帰属部分に関してはまだ地名が付けられていません。海の森の続きになるのか、それともまた新たな地名が付くのか、楽しみですね。

 

今回2つの新しい地名が生まれた中央防波堤。東京五輪も延期になった今、まだまだ一般人が気軽に訪れることができる場所ではなさそうです。しかし開発途中の今だからこその、普段体感することのできない新鮮な雰囲気を味わうことができました。次いつ訪れる機会があるか分かりませんが、そのときどれくらい開発が進んでいるのか楽しみです。

 

*1:と書きましたが、島であっても道路の先が全て橋になっていたら行き止まりはないかもしれません。そういった島があるかは分かりませんが

1丁目1番地#118 江東区海の森

江東区の帰属となった中央防波堤の内側埋立地、そこに新たに付けられた町名が江東区海の森です。帰属が確定する前から海の森公園や海の森水上競技場といった施設があり、地名案公募でも最多であったためそのまま町名として採用され、2020(令和2)年6月25日に住居表示が実施されました。

町域内には東京都環境局の中防合同庁舎や不燃ごみ処理センター、リサイクル工場などの施設があります。また東部にある海の森公園は、本来であれば今年東京五輪の競技会場として使用される予定でした。

なお海面を挟んだ外側埋立地江東区帰属部分は、まだ町名が設定されていません。

 

前回紹介したように、中央防波堤へ向かうトンネルや橋は歩行者用通路が封鎖されているため、訪問する際は都バスの利用が一般的です。東京テレポート駅前のバスターミナルから、都バスの波01系統・中央防波堤行きに乗車します。

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青海地区を抜けると、第二航路トンネルを通っていよいよ中央防波堤埋立地に入ります。この波01系統は都バスで唯一海底トンネルを通る路線だそうです。

 

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東京テレポート駅前から10分弱ほどで、中央防波堤埋立地内に到着します。写真は海の森二丁目にある終点の中央防波堤停留所です。華やかなお台場から雰囲気は一変し、まさしく港湾地域といった感じの雰囲気です。ちなみに行きは一つ手前のバス停で降りたので、写真は帰りに訪問したときのものです。中防大橋方面を訪問する際は、手前の環境局中坊合同庁舎前というバス停で降りた方が便利です。

 

さてバス停から海の森一丁目方面に行く際は、大きな通りを渡る必要があります。一応ここでは押しボタン式の歩行者用信号機がありますが、中央防波堤では日頃歩行者が少ないということを強く意識して、注意深く渡る必要があります。また場所によっては歩行者用信号が無かったり、立ち入り禁止のエリアがあったりするそうなので、訪問する際は十分ご注意ください。中央防波堤は東京の物流を支えているエリアでもあります。自分の命のためにも、物流を支えてくださっているトラックの運転手の方達のためにも、十分な注意が大切だと思いました。

 

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しばらく海沿いを歩いていくと、海の森一丁目1番の街区表示板を発見しました。あたりはコンテナターミナルが多く、大型トレーラーがひっきりなしに行き交っています。

 

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ピカピカの街区表示板。こういった看板を見ると、新しい地名ができたのだということをより実感できますね。

 

街区の西側にも行こうかと思いましたが、雨が強まってきたのでここで引き返しました。

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また海沿いを歩いて引き返していきます。この後は中防大橋を渡って、外側埋立地にある大田区令和島へ向かいます。写真の青い橋が中防大橋で、対岸が外側埋立地です。なお外側埋立地東京湾臨海道路の北側は江東区の帰属になっているため、対岸が大田区令和島というわけではありません。

1丁目1番地#117 江東区青海

東京湾に浮かぶ人工島、中央防波堤埋立地。ごみの最終処分場として、隣接する新海面処分場とともに現在も埋め立てが進められています。ごみ処理施設やコンテナターミナルなど一般人と関わりの少ない施設が多く、橋やトンネルも歩行者の通行ができないため都バス・タクシー・自家用車などでしかアクセスすることができない、まさに『東京の秘境』です。

また、江東区大田区がこの中央防波堤の帰属を巡って対立し、訴訟まで発展したというのはニュース等でも話題になりました。昨年9月に東京地裁が帰属を約8割が江東区、約2割が大田区とする判決を下し、両者が控訴せず決着となりました。その後江東区側の町名は「海の森」、大田区側の町名は「令和島」に決定され、そして先月1日に大田区令和島一丁目と二丁目の、25日に江東区海の森一丁目・二丁目・三丁目の住居表示が実施されました。

今回は、この出来立てほやほやの1丁目1番地を巡ってきました。

 

*** 

 

海の森・令和島に行く前にまずは江東区青海です。中央防波堤埋立地内にある東京都環境局の施設などの住所は、これまで便宜上「江東区青海三丁目地先」とされていました。また中央防波堤で唯一の公共交通機関である都バスが発着する東京テレポート駅も、この青海にあります。

この青海地区はダイバーシティ東京パレットタウンなどお台場地区を代表するような商業・娯楽施設や、東京国際交流館日本科学未来館といった研究関連施設などがあり、東京臨海副都心の重要な一角をなす地域です。

 

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青海一丁目1番はりんかい線東京テレポート駅の西側からゆりかもめ東京国際クルーズターミナル駅にかけてのあたりで、街区の全周が1.5kmを超える広い街区です。臨海部は大規模な施設が多く道と道の間隔も長いため、このような広い街区は多く見られますが、この青海一丁目1番はその中でもかなり広い方だと思われます。写真奥がダイバーシティ東京、写真左が有名なフジテレビ本社(港区台場)です。

 

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街区の南部にはゆりかもめの東京国際クルーズターミナル駅と、都バスの停留所があります。2019年に船の科学館駅という駅名から改称されましたが、駅名も長く個人的にはまだ慣れません。

 

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またお台場地区では地元企業の協賛によって無料巡回バスの「東京ベイシャトル」が運行されており、ゆりかもめの駅前にバス停が設置されています。「青海臨時駐車場」というバス停名の通り、この広大な空き地は駐車場として利用されているようです。

(2022/1/23追記)

東京ベイシャトルは2021年3月31日限りで運行を終了しました。

なお奥に写っている東京国際交流館は後述します。

 

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街区の中央部には、シンボルプロムナード公園のセントラル広場もあります。写真は公園内にある自由の炎像と呼ばれるオブジェです。1998年に「日本におけるフランス年」という文化行事の中でフランスから寄贈されたそうで、ナポレオン3世の勝利を象徴しているとか。これは公園外の道路から撮影したものですが、非常に大きく目立つのが分かります。

 

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シンボルプロムナード公園は「プロムナード」というだけあって、有明や港区台場など臨海副都心の各地区に跨った細長い公園です。標高が高くなっていて、写真のように公道を橋で跨ぐような立体的な構造になっています。写真は青海一丁目1番と港区台場を結ぶウエストパークブリッジです。橋の上からはレインボーブリッジや東京タワーを望めて、人気の夜景スポットだとか。

 

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ただこの日は生憎の雨だったので公園の方までは行かず、道路沿いを中心に散策しました。橋の脇には綺麗な紫陽花が。

 

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街区北側、東京テレポート駅の近くには有名なダイバーシティ東京があります。

 

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ダイバーシティ東京東京テレポート駅、フジテレビ本社の間にあるお台場中央交差点です。この写真の中に街区表示板が写っているのですが、どこでしょうか。

 

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正解はこちら、中央分離帯の街灯でした。青海・有明若洲など江東区の臨海部ではこのように街灯の柱などに街区表示板が設置されているのをよく見かけます。

  

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前述のシンボルプロムナード公園は、ダイバーシティの裏を通って有明の方まで続いています。写真はセントラル広場と東京テレポート駅方面を繋ぐ「出会い橋」です。

 

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公園の階段を下りて街区の東側に行くと、白い仮囲いが設置されていました。まだまだ開発が進んでいる臨海副都心、何かできるのでしょうか。

 

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街区の周りを1周して、最南端の船の科学館入口交差点に戻ってきました。フジテレビ本社の大きさを1番最初の写真と比べると、この街区の広さがお分かりになるかと思います。

 

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1丁目1番地ではありませんが、隣接する青海二丁目にある東京国際交流館。留学生や外国人研究者向けの大規模な宿舎があり、そのために青海二丁目の人口に占める外国人比率は75%を超え、23区の町丁別では最も高いそうです。

 

このあとは一旦東京テレポート駅に戻り、都バスに乗っていよいよ中央防波堤へ向かいます。

1丁目1番地#116 浦安市北栄

当代島の東側にあるのが浦安市北栄(きたざかえ)です。町域内には東京メトロ東西線浦安駅があり、駅の周辺には西友ダイエーといったスーパーや銀行の支店など商業施設が集積しています。また町域を貫くように猫実川(ねこざねがわ)という小さな川が流れています。

 

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北栄一丁目1番は浦安駅南側を通るやなぎ通り(県道242号)に面しています。写真の奥がやなぎ通りです。

 

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浦安駅の東側は道路が猫実川に並行するように区画が綺麗に整理されています。中でも気になったのが、猫実川とやなぎ通りの間にある細い道路。浦安駅から浦安病院のあたりまで、写真のように自動車が入れないようになっているので、小さなお子さんでも安心して通行することができます。若いファミリー層に人気の街として知られる浦安市、こうしたところも人気の秘訣なのかもしれません。

1丁目1番地#115 浦安市当代島

(2017年訪問)

東京から浦安橋を渡った先、地下鉄東西線浦安駅北西側の地域が浦安市当代島です。浦安市の北端に位置し、昭和後期の埋め立て事業で市域が拡大する以前から存在した元町地域と呼ばれる地域に属しています。明治時代には当代島村・猫実村・堀江村が合併して浦安村が成立したそうで、この3つの地名は全て今も浦安市の現行町名として存在しています。

 

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当代島一丁目1番は浦安駅のすぐ西側にあり、ホームの一部は街区内にかかっています。写真の左側に写っているのが浦安駅のホームです。浦安駅前という立地から、あたりは飲食店やコンビニなどが多く見られます。

 

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千葉県道6号市川浦安線を挟んだ反対側、浦安市北栄に浦安駅の出入口があります。浦安駅の住所自体も北栄一丁目です。

1丁目1番地#114 江戸川区東葛西

(2017年訪問)

江戸川区東葛西は一丁目から九丁目まであり、江戸川区内で最も人口が多い地域です。葛西駅前の地下鉄博物館や、23区唯一の自然島である旧江戸川中洲の妙見島もこの東葛西の町域にあります。

 

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東葛西一丁目1番の街区表示板。周辺は静かな住宅街です。

このあたりの旧町名は桑川町だったそうで、環七通り上には桑川町というバス停がありました。九丁目まであると範囲が広大でイメージが掴みにくいので、もう少し旧町名を活用しても分かりやすかった気もします。

 

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1丁目1番地とは関係ありませんが、冒頭で紹介した妙見島をおまけで。東葛西三丁目16番と17番にあたり、陸路では浦安橋からしかアクセスすることができません。ほとんどが工場の用地になっているほか、ホテルや船宿、レストランもあるようです。元々は写真左側の陸地と一体だったのが、徐々に対岸の浦安市側へ流され切り離されて島が形成されたそうで、コンクリート護岸で囲われた現在でも微妙に移動しているとかいないとか。 

 

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この旧江戸川は東京と千葉の都県境になっており、写真左が妙見島(東京都江戸川区東葛西)で、右が千葉県浦安市当代島です。

 

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このように浦安橋上にも都県境が示されています。

 

以上、本題より長くなってしまいましたが、1丁目1番地には関係ないおまけでした。