1丁目1番地

全国の1丁目1番地を探して

1丁目1番地#117 江東区青海

東京湾に浮かぶ人工島、中央防波堤埋立地。ごみの最終処分場として、隣接する新海面処分場とともに現在も埋め立てが進められています。ごみ処理施設やコンテナターミナルなど一般人と関わりの少ない施設が多く、橋やトンネルも歩行者の通行ができないため都バス・タクシー・自家用車などでしかアクセスすることができない、まさに『東京の秘境』です。

また、江東区大田区がこの中央防波堤の帰属を巡って対立し、訴訟まで発展したというのはニュース等でも話題になりました。昨年9月に東京地裁が帰属を約8割が江東区、約2割が大田区とする判決を下し、両者が控訴せず決着となりました。その後江東区側の町名は「海の森」、大田区側の町名は「令和島」に決定され、そして先月1日に大田区令和島一丁目と二丁目の、25日に江東区海の森一丁目・二丁目・三丁目の住居表示が実施されました。

今回は、この出来立てほやほやの1丁目1番地を巡ってきました。

 

*** 

 

海の森・令和島に行く前にまずは江東区青海です。中央防波堤埋立地内にある東京都環境局の施設などの住所は、これまで便宜上「江東区青海三丁目地先」とされていました。また中央防波堤で唯一の公共交通機関である都バスが発着する東京テレポート駅も、この青海にあります。

この青海地区はダイバーシティ東京パレットタウンなどお台場地区を代表するような商業・娯楽施設や、東京国際交流館日本科学未来館といった研究関連施設などがあり、東京臨海副都心の重要な一角をなす地域です。

 

f:id:harumibashi:20200704142920j:plain

青海一丁目1番はりんかい線東京テレポート駅の西側からゆりかもめ東京国際クルーズターミナル駅にかけてのあたりで、街区の全周が1.5kmを超える広い街区です。臨海部は大規模な施設が多く道と道の間隔も長いため、このような広い街区は多く見られますが、この青海一丁目1番はその中でもかなり広い方だと思われます。写真奥がダイバーシティ東京、写真左が有名なフジテレビ本社(港区台場)です。

 

f:id:harumibashi:20200704144944j:plain

街区の南部にはゆりかもめの東京国際クルーズターミナル駅と、都バスの停留所があります。2019年に船の科学館駅という駅名から改称されましたが、駅名も長く個人的にはまだ慣れません。

 

f:id:harumibashi:20200704155043j:plain

またお台場地区では地元企業の協賛によって無料巡回バスの「東京ベイシャトル」が運行されており、ゆりかもめの駅前にバス停が設置されています。「青海臨時駐車場」というバス停名の通り、この広大な空き地は駐車場として利用されているようです。

(2022/1/23追記)

東京ベイシャトルは2021年3月31日限りで運行を終了しました。

なお奥に写っている東京国際交流館は後述します。

 

f:id:harumibashi:20200704145321j:plain

街区の中央部には、シンボルプロムナード公園のセントラル広場もあります。写真は公園内にある自由の炎像と呼ばれるオブジェです。1998年に「日本におけるフランス年」という文化行事の中でフランスから寄贈されたそうで、ナポレオン3世の勝利を象徴しているとか。これは公園外の道路から撮影したものですが、非常に大きく目立つのが分かります。

 

f:id:harumibashi:20200704145911j:plain

シンボルプロムナード公園は「プロムナード」というだけあって、有明や港区台場など臨海副都心の各地区に跨った細長い公園です。標高が高くなっていて、写真のように公道を橋で跨ぐような立体的な構造になっています。写真は青海一丁目1番と港区台場を結ぶウエストパークブリッジです。橋の上からはレインボーブリッジや東京タワーを望めて、人気の夜景スポットだとか。

 

f:id:harumibashi:20200704150921j:plain

ただこの日は生憎の雨だったので公園の方までは行かず、道路沿いを中心に散策しました。橋の脇には綺麗な紫陽花が。

 

f:id:harumibashi:20200704153802j:plain

街区北側、東京テレポート駅の近くには有名なダイバーシティ東京があります。

 

f:id:harumibashi:20200704144259j:plain

ダイバーシティ東京東京テレポート駅、フジテレビ本社の間にあるお台場中央交差点です。この写真の中に街区表示板が写っているのですが、どこでしょうか。

 

f:id:harumibashi:20200704144524j:plain

正解はこちら、中央分離帯の街灯でした。青海・有明若洲など江東区の臨海部ではこのように街灯の柱などに街区表示板が設置されているのをよく見かけます。

  

f:id:harumibashi:20200704154542j:plain

前述のシンボルプロムナード公園は、ダイバーシティの裏を通って有明の方まで続いています。写真はセントラル広場と東京テレポート駅方面を繋ぐ「出会い橋」です。

 

f:id:harumibashi:20200704153912j:plain

公園の階段を下りて街区の東側に行くと、白い仮囲いが設置されていました。まだまだ開発が進んでいる臨海副都心、何かできるのでしょうか。

 

f:id:harumibashi:20200704153903j:plain

街区の周りを1周して、最南端の船の科学館入口交差点に戻ってきました。フジテレビ本社の大きさを1番最初の写真と比べると、この街区の広さがお分かりになるかと思います。

 

f:id:harumibashi:20200704143322j:plain
1丁目1番地ではありませんが、隣接する青海二丁目にある東京国際交流館。留学生や外国人研究者向けの大規模な宿舎があり、そのために青海二丁目の人口に占める外国人比率は75%を超え、23区の町丁別では最も高いそうです。

 

このあとは一旦東京テレポート駅に戻り、都バスに乗っていよいよ中央防波堤へ向かいます。