1丁目1番地

全国の1丁目1番地を探して

1丁目1番地#124 中央区築地

感染者数がまた全国的に増加していて不安な今日この頃です。これから夏のお出かけシーズンではありますが、23区民としては近所の散歩程度に留めておいた方が良さそうですね。もっともこの暑さでは散歩も大変ですが……。

1丁目1番地に関してはまだまだストックがたくさんありますので、こうした機会に放出できればと思います。

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築地市場築地本願寺などがあり、全国的にその名が知られる中央区築地。古くからの文化が息づいている歴史ある街ですが、一方で都心の一角として現代的なオフィスビルやマンションなども多く見られます。一丁目から七丁目まであるため、エリアによって雰囲気も異なります。

また色々あったものの結局移転した築地市場の跡地再開発も控えており、今後が注目される街です。

 

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町域の北西端に位置する中央区築地一丁目1番には、中央区役所があります。区役所の住所もずばり「東京都中央区築地1-1-1」。東京の中心である中央区の、さらに中央にある1丁目1番地です。

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中央区役所の目の前には地下鉄有楽町線新富町駅の1番出口があります。新富町駅の住所も中央区役所と同じ「中央区築地1-1-1」となっています。

築地なのに新富町?と思われる方もいらっしゃると思いますが、新富町駅のすぐ近くに日比谷線築地駅もあります。昔から駅名が違うものの近い駅として知られていましたが、2018年には運賃が打ち切られない公式の乗り換え駅としても認められました。

この新富町駅を境に南側が中央区築地、北側が中央区新富の町域になっています。

 

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また中央区役所の庁舎には中央区京橋図書館も併設されていて、図書館の入口は区役所の入口の反対側にあります。中央区には図書館が3館ありますが、特にこの京橋図書館は中心的な図書館のようです。

 

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さらに中央区役所は中央区コミュニティバス「江戸バス」の起点にもなっています。区役所脇のバス停から日本橋方面の北循環と月島・勝どき方面の南循環が発着しており、さらにここで北循環と南循環を無料で乗り継ぐこともできます。写真左に写っている赤い小型のバスが「江戸バス」です。

 

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区役所の入口の前にあった像。中央区の平和都市宣言を記念して制作された平和像「ニコラ」だそうです。

 

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さらにこの築地一丁目1番を含む周辺一帯は土佐藩の築地邸があったそうで、坂本龍馬もこの地に寄宿していたそうです。

そして上の看板の地図にあるように、元々このあたりには築地川が流れていました。のちに築地川と楓川を結ぶ連絡運河も開削されましたが、戦後になると埋め立てが進められ、跡地は首都高都心環状線新富町出口に利用されています。

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写真は近くにあった案内地図ですが、グレーで描かれている高速道路が元々川だったところです。この地図では右側が北になっていますが、築地川は東(地図下側)から三吉橋のところで直角に曲がって南(地図左側)へと流れていました。そして三吉橋から北(地図右側)に伸びていたのが楓川との連絡運河です。

ちょうど築地川と連絡運河の分岐点の上に架かる三吉橋も、Yのような形をした三叉の構造になっているのが特徴的です。この三吉橋は銀座・新富・築地の3町境にもなっています。

 

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三吉橋越しに中央区役所を望みます。元々重厚感のある建物ですが、川跡の首都高に挟まれていて周囲に建物がなく、さらに角地にあるため、いっそう迫力があります。

また、この三吉橋は三島由紀夫の短編小説『橋づくし』でも描かれたそうです。築地をはじめ中央区は文学などの舞台となっていることも多いので、そういったところに思いを馳せながら散策するのもまた一興ですね。