1丁目1番地

全国の1丁目1番地を探して

1丁目1番地#125 大阪市天王寺区六万体町

(2017年訪問)

大阪の南の玄関口・天王寺駅で有名な天王寺区。区内の大部分は上町台地上にあり、寺院や学校が多い文教地域です。

天王寺区六万体町(ろくまんたいちょう)は地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ヶ丘駅の東側、谷町筋に沿った細長い地域です。不思議な地名ですが、聖徳太子がこのあたりに六万体の地蔵を安置したという俗伝が由来だそうです。さすが長い歴史を持つ大阪、地名の由来に聖徳太子まで出てくるのがすごいところです。

 

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六万体町1番も谷町筋沿いにあります。街区内には吉祥寺(きっしょうじ)というお寺があります。

 

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吉祥寺は赤穂藩と繋がりが深かったようで、赤穂義士墓所があるそうです。

 

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谷町筋がまっすぐ伸びています。

1丁目1番地#124 中央区築地

感染者数がまた全国的に増加していて不安な今日この頃です。これから夏のお出かけシーズンではありますが、23区民としては近所の散歩程度に留めておいた方が良さそうですね。もっともこの暑さでは散歩も大変ですが……。

1丁目1番地に関してはまだまだストックがたくさんありますので、こうした機会に放出できればと思います。

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築地市場築地本願寺などがあり、全国的にその名が知られる中央区築地。古くからの文化が息づいている歴史ある街ですが、一方で都心の一角として現代的なオフィスビルやマンションなども多く見られます。一丁目から七丁目まであるため、エリアによって雰囲気も異なります。

また色々あったものの結局移転した築地市場の跡地再開発も控えており、今後が注目される街です。

 

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町域の北西端に位置する中央区築地一丁目1番には、中央区役所があります。区役所の住所もずばり「東京都中央区築地1-1-1」。東京の中心である中央区の、さらに中央にある1丁目1番地です。

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中央区役所の目の前には地下鉄有楽町線新富町駅の1番出口があります。新富町駅の住所も中央区役所と同じ「中央区築地1-1-1」となっています。

築地なのに新富町?と思われる方もいらっしゃると思いますが、新富町駅のすぐ近くに日比谷線築地駅もあります。昔から駅名が違うものの近い駅として知られていましたが、2018年には運賃が打ち切られない公式の乗り換え駅としても認められました。

この新富町駅を境に南側が中央区築地、北側が中央区新富の町域になっています。

 

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また中央区役所の庁舎には中央区京橋図書館も併設されていて、図書館の入口は区役所の入口の反対側にあります。中央区には図書館が3館ありますが、特にこの京橋図書館は中心的な図書館のようです。

 

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さらに中央区役所は中央区コミュニティバス「江戸バス」の起点にもなっています。区役所脇のバス停から日本橋方面の北循環と月島・勝どき方面の南循環が発着しており、さらにここで北循環と南循環を無料で乗り継ぐこともできます。写真左に写っている赤い小型のバスが「江戸バス」です。

 

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区役所の入口の前にあった像。中央区の平和都市宣言を記念して制作された平和像「ニコラ」だそうです。

 

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さらにこの築地一丁目1番を含む周辺一帯は土佐藩の築地邸があったそうで、坂本龍馬もこの地に寄宿していたそうです。

そして上の看板の地図にあるように、元々このあたりには築地川が流れていました。のちに築地川と楓川を結ぶ連絡運河も開削されましたが、戦後になると埋め立てが進められ、跡地は首都高都心環状線新富町出口に利用されています。

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写真は近くにあった案内地図ですが、グレーで描かれている高速道路が元々川だったところです。この地図では右側が北になっていますが、築地川は東(地図下側)から三吉橋のところで直角に曲がって南(地図左側)へと流れていました。そして三吉橋から北(地図右側)に伸びていたのが楓川との連絡運河です。

ちょうど築地川と連絡運河の分岐点の上に架かる三吉橋も、Yのような形をした三叉の構造になっているのが特徴的です。この三吉橋は銀座・新富・築地の3町境にもなっています。

 

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三吉橋越しに中央区役所を望みます。元々重厚感のある建物ですが、川跡の首都高に挟まれていて周囲に建物がなく、さらに角地にあるため、いっそう迫力があります。

また、この三吉橋は三島由紀夫の短編小説『橋づくし』でも描かれたそうです。築地をはじめ中央区は文学などの舞台となっていることも多いので、そういったところに思いを馳せながら散策するのもまた一興ですね。

1丁目1番地#123 鎌倉市御成町

鎌倉市御成町(おなりまち)は鎌倉駅の西側の地域です。明治から昭和初期にかけて鎌倉御用邸があったことに由来し、住居表示実施の際に生まれた鎌倉では新しい地名です。鎌倉市役所や鎌倉市中央図書館などがあり、現在の鎌倉の行政の中心となっています。

 

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御成町1番には江ノ電鎌倉駅があります。駅舎のそれもこんな改札に近いところに街区表示板掲示されているのはあまり見かけませんが、シンボリックで良いですね。

  

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鎌倉駅西口。左がJR横須賀線、右が江ノ電の駅舎です。商業施設が多く大きなバスターミナルもある東口側と比べると、西口側は落ち着いた雰囲気があります。

1丁目1番地#122 鎌倉市大町

(2018年訪問)

横浜・川崎・藤沢・小田原など、個性豊かな都市が多い神奈川県。中でも忘れてはならないのが、言わずと知れた古都鎌倉です。

鎌倉市大町も鎌倉幕府によって整備された大町大路が由来となっている、歴史ある地名です。当時大町大路沿いには町屋が多く立ち並び、小町大路と交差する大町四ツ角のあたりは鎌倉で最も賑やかな商業の中心だったと言われています。

現在は鎌倉駅の南東側にあたります。

 

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 大町一丁目1番も大町大路沿い、大町四ッ角交差点と鎌倉駅の中間付近にあります。近くにはJR横須賀線の線路も通っているほか、滑川(なめりがわ)という川も流れています。

1丁目1番地#121 横須賀市秋谷

(2018年訪問)

芦名の北側にあるのが横須賀市秋谷(あきや)です。自然の美しい海岸線が残っている秋谷海岸は、別荘やリゾートマンションなどで人気となっています。特に海岸に突き出た巨岩は「秋谷の立石」として知られ、江戸時代に安藤広重が浮世絵にも描いた名勝です。

 

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秋谷一丁目1番も国道134号沿いにあります。このあたりはまだ国道134号は内陸部を通っていますが、案内図右側に小さく写っているようにこの付近から海岸沿いを通ります。京急バスの浄楽寺停留所があり、逗子駅行きのバスが出ています。横須賀市内ではありますが、横須賀駅は大楠山を挟んだところにあり行きづらいためか、国道134号で繋がっている逗子や葉山との結びつきが強いようです。

 

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ちなみに名勝の「秋谷の立石」は国道134号を逗子方面に北上した先の秋谷三丁目にあります。立石の力強さと、奥の松の奥ゆかしさが良いコントラストになっていて、自然のパワーを感じます。

 

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立石公園から南の方を望みます。リゾート地や別荘地になるのが納得の美しさです。

1丁目1番地#120 横須賀市芦名

(2018年訪問)

三浦半島の中央部を占める横須賀市軍港都市として知られ、神奈川県では横浜市の次に市制施行された歴史ある重要な都市です。

その横須賀市西部の相模湾に面した地域の一つが芦名です。鎌倉時代には芦名城という城もあったそうで、かなり古くからある地名であることが分かります。鉄道路線からは離れているため、逗子駅横須賀駅からバスでのアクセスとなります。

 

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芦名一丁目1番は国道134号沿いにあります。三浦半島は三浦丘陵をはじめ起伏に富んだ地形が特徴的で、このあたりも緩やかな坂となっています。

 

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派手な看板はラブホテルのもので、ある意味国道沿いらしい風景かもしれません。国道134号は横須賀市東部から三浦半島をぐるりと囲んで、逗子・鎌倉を経て湘南の方まで至る道路で、鉄道路線がない三浦半島西部では特に重要性が高い道路となっています。

1丁目1番地#119 大田区令和島

海の森一丁目1番を訪問したあとは、中防大橋を渡って外側埋立地へと向かいます。

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内側埋立地と外側埋立地を結ぶ中防大橋。

 

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防大橋上の様子。奥に写っているのは6月20日に開通した海の森大橋です。

 

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中坊大橋を渡った先に交差点があります。ここで交差する道路が江東区大田区の区境になっており、写真奥側が大田区令和島なのですが、歩行者用の信号機や横断歩道がありません。こういったところにも、歩行者が極めて少ない中央防波堤埋立地特有の事情が表れています。

しかし、ここは埋立地という島。地上部では必ず車道が行き止まりになるところがあります*1。それを狙って歩道を大きく迂回して行くことで、反対側の歩道に到達できます。

今回の場合は、西側の臨海トンネル直上にある地上部の行き止まりを経由して、令和島一丁目1番への接近を試みます。この交差点から行き止まりの部分までおよそ500m。それを往復、さらに行きと帰りの分も合わせるとおよそ2kmのウォーキングコースです。

 

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歩道部に謎の地下へ続くスロープがありました。臨海トンネルは歩道が併設されていないそうなので、保安用の通路か何かでしょうか。

 

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折り返し地点である行き止まり部分の先には臨海トンネルの中央防波堤側換気所があります。三段のような形になっていて面白いデザインの庁舎ですね。

 

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車道の行き止まりのUターンを利用して、無事反対側の歩道に行くことができました。もうここは令和島一丁目1番になるはずですが、街区表示板を探してしばらく進んでいきます。巨大なコンテナが積み上がっている光景は圧巻です。

 

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ここは大田区であるように羽田空港にも近いため、羽田空港を離陸していく飛行機が頻繁に上空を通過していきます。実際はかなり間近に見え、音も凄まじいですが、飛行機好きにはたまらないスポットかもしれません。

 

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ようやく先ほどの交差点が近づいてきました。

 

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そしてついに、この交差点角で街区表示板を発見。写真の道路が臨海トンネル方面へ続く道で、この向かい側に中防大橋側の歩道があります。ここまで来るのに15分ほどかかりました。そしてすぐにまた15分かけて戻っていきます。

 

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せっかくなのでもう少し奥まで進んでみると、もう一つ街区表示板を発見。令和島一丁目1番も広大なコンテナターミナルになっています。

この先はますます一般人には近付きがたい雰囲気を感じたので、今回はこのあたりで引き返しました。埋立地内には立ち入り禁止のエリアもあるそうなので、掲示板や標識などをよく確かめながら歩きましょう。

 

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また同じ道を引き返していきます。

 

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臨海トンネルの車道の入り口です。海底を通って大田区の城南島へと繋がっています。

 

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最初の交差点に戻ってきました。いつかここにも歩行者用信号機が設置される日が来るのでしょうか。

 

そして中防大橋を渡って江東区海の森に戻り、中央防波堤停留所から都バスに乗って中央防波堤埋立地を後にしました。

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再度、中防大橋から外側埋立地の東側を望みます。外側埋立地のうち江東区の帰属部分に関してはまだ地名が付けられていません。海の森の続きになるのか、それともまた新たな地名が付くのか、楽しみですね。

 

今回2つの新しい地名が生まれた中央防波堤。東京五輪も延期になった今、まだまだ一般人が気軽に訪れることができる場所ではなさそうです。しかし開発途中の今だからこその、普段体感することのできない新鮮な雰囲気を味わうことができました。次いつ訪れる機会があるか分かりませんが、そのときどれくらい開発が進んでいるのか楽しみです。

 

*1:と書きましたが、島であっても道路の先が全て橋になっていたら行き止まりはないかもしれません。そういった島があるかは分かりませんが