1丁目1番地#148 千代田区霞が関
(昨年訪問)
日本の政治の中心・永田町のすぐお隣、こちらは行政の中心・霞が関。言わずと知れた官庁街で、1府12省庁のうち永田町にある内閣府と新宿区市谷本村町にある防衛省以外の全ての本省が霞が関にあります。
なお地下鉄の駅名は「霞ケ関」ですが、町名は「霞が関」とひらがなになっています。町名も元々は「霞ヶ関」だったのが、住居表示実施時にひらがなの「霞が関」へと変更されました。千代田区内では同様に、丸の内も住居表示に際して「丸ノ内」から「丸の内」へと変更されています。
余談ですが、東京メトロの駅名は「四ツ谷」(現行町名は四谷)、「市ケ谷」(都営地下鉄は「市ヶ谷」)、「西ケ原」のようにほとんど大きな「ツ」や「ケ」に統一されていますが、比較的開業の新しい副都心線雑司が谷駅は町名に合わせてひらがなが用いられています。また東京メトロの駅でも営団時代の看板が残っているところでは小さい「ヶ」の表記も見られます。
数多くの官庁がある霞が関ですが、霞が関一丁目1番には法務省や裁判所、弁護士会館など司法や法務に関する機関が集中しています。
日比谷公園の中から見た霞が関一丁目1番の東側です。左から弁護士会館、中央合同庁舎第6号館C棟・B棟・A棟です。
まず街区の南東側にあるのが弁護士会館。日本弁護士連合会(日弁連)と東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会などが入居しています。面積が大きい北海道を除いて基本的に各県に1つずつ弁護士会があるようですが、東京は大昔に色々な事情があって分裂し3つ存在しているそうです。
続いて中央合同庁舎第6号館、A・B棟には法務省・検察庁・公安調査庁などが、C棟には東京家裁・簡裁などが入居しています。
よくニュースで見る構図で撮ってみました。
このあたりでは一般的な案内地図のほか、「霞が関中央官庁案内」という独自の案内板が各所に設置されています。この地図には住居表示の番号は書かれておらず、代わりにA〜Hのアルファベットが街区に振られています。この霞が関一丁目1番はアルファベットでも最初の「A」街区とされています。
近くに歩道橋があったので上ってみました。まずは南方向を見てみます。右側が霞が関一丁目1番、左側が日比谷公園、そして正面奥には虎ノ門ヒルズが見えます。
続いて北方向。正面に見えるのは丸の内一丁目1番のパレスビルですね。
街区の北東側にある祝田橋交差点、ここが晴海通りの起点となっているようです。奥には月も出ています、真昼の月です。
祝田橋交差点を曲がって、街区北側の内堀通りを西へ進んでいくとクラシカルな建物が見えてきます。霞が関一丁目1番1号にある法曹会館で、レストランや会議室のほかに披露宴会場もあるそうです。
内堀通りをさらに西へ進むと法務省旧本館と警視庁本部庁舎が見えてきます。
街区の北西側は桜田門交差点で、街区内には桜田門駅の5番出入口もあります。警視庁本部庁舎は道路の反対側、霞が関二丁目にあります。
乗換駅には指定されていませんが霞ケ関駅と桜田門駅は近く、路線図には掲載されていない千代田線と有楽町線を繋ぐ業務用の連絡線もあります。
そして桜田門駅5番出入口の目の前に法務省旧本館があります。明治時代にドイツ人建築家によって設計されたものだそうで、無機質なビル群の中で鮮やかな赤レンガが一際目を引きます。
上の写真に小さく写っていた記念碑、この場所はかつて米沢藩上杉家の藩邸があったそうです。永田町もそうでしたが、このあたりは江戸時代には大名屋敷が立ち並んでいたエリアだったようです。
街区西側に東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎があり、その名の通り東京高裁や東京地裁が入居しています。窓が高層部にしかない特徴的な外観ですが、低層部に法廷があるのだとか。
こちらもニュースでよく見る構図です。